よくある質問 Q&A
脳卒中のこと
若い世代でも脳梗塞にかかる可能性があると聞きました。
高齢者の脳梗塞とは異なる点は何でしょうか?
症状は一般的に同じですが、脳梗塞の原因が異なることがあります。例えば、脳動脈解離や卵円孔開存といった病気が原因となる場合があります。それぞれの原因に応じて治療方針が異なるため、原因の究明が非常に大切です。
これらのタイプの脳梗塞は若い人に多い傾向があるというだけで、必ずしも高齢者にはこれらが原因の脳梗塞が起こらないとは限りません。
脳卒中から回復した後、
仕事に復帰しても問題ありませんか?
脳卒中の後遺症の度合いと、復帰する仕事の内容によって状況は異なります。担当医との相談が重要です。
私たちは、脳卒中を経験した方々が豊かな生活を送れるよう願いつつ、診療を行っています。
今の段階で何ができるのかを優先的に考え仕事をしていくことが大切です。
脳卒中を経験した場合、
将来的に必ず認知症になると言えるのでしょうか?
脳卒中の経験がある人が、必ずしも認知症になるとは限りません。後遺症のない生活を送る人もたくさんいます。
ただし、脳卒中後には「脳血管性認知症」と呼ばれる状態になる可能性があります。これは脳の血管による障害で、治療法がなく、予防することが非常に重要です。
生活習慣による要因(例:高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙、肥満)が脳血管性認知症のリスク因子となるため、日々の生活に注意を払うことが大切です。
心臓病のこと
これといった症状はありませんが、コレステロール値が高いと言われました。何らかの治療は必要でしょうか?
コレステロール値が高いだけで、直接的な症状が現れることはめったにありません。しかし、高いコレステロール値は動脈硬化のリスクを高める大きな要因です。
つまり、将来的に起きるリスクの高い心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化に関連した疾患を予防するために、生活習慣の改善とLDLコレステロールの管理が必要です。
家族性高コレステロール血症などの遺伝的な要因がある場合、特に高いLDLコレステロール値が若いうちから動脈硬化関連疾患のリスクを高めることがあります。そのため、専門医(循環器内科や代謝内科)に相談することが大切です。
動悸がしたのですが短時間で治まりました。
そのまま様子を見ても問題ないでしょうか?
長時間にわたって動悸を感じる、安静でも脈拍が1分間に100回以上ある、息がしにくい、むくみ、胸の痛みなどの症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。
受診時には、動悸を初めて感じた時期や状況、持続時間、他の症状の有無、脈のリズムなど、詳細に症状を説明できるよう心がけましょう。動悸が収まったとしても、胸の不快感や、意識がはっきりしないといった症状が出た場合は、ためらわず救急車での受診をしましょう。
心筋梗塞を引き起こしやすい
季節や時間帯はあるのでしょうか?
朝の活動開始後の数時間や一日の終わりの疲れがたまる時間帯が挙げられます。また、暖かい場所から急に寒い場所に移動した際の温度差も血管が急激に縮小し、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。そのため、寒い12月から2月の時期には特に注意しましょう。
就労のこと
労働を支援する制度やサービスはありますか?
仕事についての心配をまずは主治医に相談し、将来の見通しを確認しましょう。その後、仕事を続けることができるかどうかについて、主治医や職場と話し合ってみてください。仕事を続ける場合、通勤や勤務時間、業務内容など、調整してもらえるかは重要です。休職や退職、新たな仕事を探す際に利用できる制度もあります。
必要であれば、病院のソーシャルワーカー、奈良産業保健総合支援センターやハローワークなどに気軽に相談してみてください。
休職している状態ですが、職場復帰には
どのような手続きが必要でしょうか?
職場復帰のために、まずは職場と話し合うことが大切です。場合によっては、会社の労務担当者や上司、産業医との相談も必要になることがあります。
奈良産業保健総合支援センターは、在職中で職場復帰を希望する方や病気療養中のため、労働条件を変更したい方の相談を受け付けています。彼らは、職場復帰に向けての手続きや必要な配慮についてアドバイスしたり、事業所との調整をサポートすることも行っています。
介護に必要な用品は、すべて自己負担で 購入しなければならないのでしょうか?
身体障害者手帳交付済の方
障害の種類や程度により、日常生活で必要な道具や補装具の費用をサポートしてもらえる場合があります。市町村役場や病院のソーシャルワーカーに相談して、申請方法やサポートの詳細を確認してみてください。
介護保険認定済みの方
介護保険の要介護・要支援の認定を受けると、必要な介護用具のレンタルが可能です。レンタルできるものには、介護用ベッドや車いす、床ずれ防止用具、手すり、歩行補助具(歩行器や杖など)が含まれます。
また、一定の条件を満たす場合、特定の物品の購入費用の一部を助成してもらえます。腰掛便座・入浴補助用具・簡易浴槽・リフトの吊り具などが対象となります。
※ただし、利用者がまず全額を支払い、その後介護保険から一部が払い戻される方式(償還払い)となります。
※同じ年度に10万円までの範囲で購入が可能ですが、それ以外のものについては実費支払いとなります。介護支援専門員や病院のソーシャルワーカーに相談してみてください。
制度・お金のこと
介護保険制度とはどのような制度ですか?
介護保険制度は、65歳以上の方や40歳から64歳の方でがん、脳血管疾患といった厚生労働省が指定する16疾病によって要介護状態や要支援状態となった方々を対象としています。
この制度を利用することで、介護度に応じてヘルパーの利用や福祉用具のレンタル、介護施設への入所などのサービスを利用することができます。
障害者手帳はどのようなものでしょうか?
身体的な障害(肢体の動き、話すこと、心臓や呼吸の機能など)や精神的な障害(てんかんや高次脳機能障害、認知症など)があり、長期間にわたり普段の生活や社会生活に制限がある方が、申請をして手帳を取得できます。
手帳の等級に応じて、医療費の助成や税金の優遇、公共交通機関の料金割引などの福祉サービスを利用できます。手帳を取得できる病状かどうかは、まずは担当医と相談してみてください。
手術や入院治療が心配なのですが、
なにか支援制度はあるのでしょうか?
医療費が高額になる場合は、高額療養費制度などの制度がございますので、医療ソーシルワーカーにご相談され、制度の紹介や提案を受けていただくことをお勧めします。
障害年金とはどんな年金でしょうか?
国民年金・厚生年金・共済年金いずれかの公的年金に加入している人が病気やけがにより心身に障害が生じ、日常生活や仕事に支障がある場合に受け取ることができる年金です。
障害年金を受け取るための3つの条件
  1. 障害の原因となった病気やけがの初診日に、国民年金・厚生年金・共済年金のいずれかに加入していること。
  2. 初診日までに一定期間の保険料を支払っていること。
  3. 障害の認定日(初診日から1年6か月後の日)において、障害の状態が一定の基準以上であること。
詳しくは年金事務所または市町村の年金担当課へお問い合わせください。